低FODMAPチャレンジ

※移行 元記事2020/8/26up

 

 低FODMAPチャレンジ、とりあえず終わったー!!ということで、この食事法についてだったりその雑感などをまとめました。
細かい点を書き連ねると膨大な長さになりそうなので大筋だけ。

《チャレンジ期間:2020年6月中旬〜8月下旬 約2ヶ月》
※合間に夏バテ等の不調を起こしたため延びました。

 


■そもそもFODMAP(フォドマップ)とは

 FODMAPとは【小腸で消化吸収されにくく、大腸で発酵する性質を持つ糖質類】を指します。

Fermentable [発酵性の糖質]
 …Oligosaccharides [オリゴ糖]
 Disaccharides [二糖類]
 Monosaccharide [単糖類]
  And
 Polyols [ポリオール]

 これらを多く含んでいる食品が「高FODMAP」と定義されていて、それらが過敏性腸症候群(IBS)や小腸内細菌異常増殖症(SIBO)、つまり”はっきりとした原因がわからない恒常的なお腹の不調”の原因なのではないか?という研究により近年導き出されたのが、今回私がチャレンジした低FODMAP食事法です。


 納豆をはじめとする大豆製品・りんご・ヨーグルト・うどん等、胃腸や消化にイイ!と世間一般に謳われている食品が、実はIBSやSIBOの人には毒かもしれませんよ〜ということなんですね。腸活とか熱心に試してきたけど無意味どころか逆効果だったかもしれないっていう。

▽こちらのクリニックのページに概要や食べていいもの・悪いものの一覧があるのでご参考までに
https://www.tanaka-cl.or.jp/guidance/special-outpatient/nutritional-therapy/fodmap/

 


■低FODMAP食事法を実践した理由


 IBSに悩まされていたからです。(SIBOについては未診療)

過敏性腸症候群(IBS)の症状例ならびに"従来考えられていた原因や治療法"の記載があるページ
http://www.nihonclinic.com/japanese/column/columns/0411irritable.html

 IBSだと診断されてから3年以上、これまで様々な食事・生活改善を自分なりに行ってきました。
 毎日湯船に浸かる、夜更かしをしない、起床後一杯の水(または白湯)を飲む、冷たいものは控える、アルコールは控える、365日腹巻を装着、よく噛んで食べる、少量の食事で栄養を取れるように工夫する、刺激物は食べない、などなど。これらは今でもほぼ実践していて、意識せずともやるようになりました。

 これによって、単純に、不摂生をしているよりは俄然まともな生活になったので、一応、このような試みや自分に合う整腸剤を常飲することで死にそうな腹痛にのたうちまわる回数は減りました。でも、恒常的に腸の調子は悪いまま。いつ何時具合が悪くなるかわからない日々は続いていました。

 そもそもIBS心因性(自律神経の問題)なので明確な治療法はなく、上手に付き合っていくしかない」というのが通説であり、かかりつけの担当医にもそう言われてきました。
 自律神経を自分でコントロールするのは限界があります。自律神経を整えるためにできるだけ手を尽くしても、どんなに自分がノーストレスだと思っていても、急に不調が起こるわけです。そのことがむしろ最大のストレス!という悪循環。

 そうやって仕方なく腸の機嫌をうかがい続ける生活に諦めと慣れを覚えていた2020年5月のある日、私はFODMAPの概念と出会ったわけです。
なんで今まで誰も(主に担当医)教えてくれなかったの!?と思ったけど、それぐらい日本ではまだあまり知られていないものらしい。私がIBSと診断された2016年頃に調べてもそんなワードや治療法が出てきた覚えはないし、日本語の関連記事が増えたのも本当にここ数年という感じですね。

 

■低FODMAP食事法とその結果

 じゃあそれは一体どんな食事法(食事療法)なのかというと、

①対象となる高FODMAP食品を日常から一切排除し、約3週間ほど低FODMAP食品のみで生活。

②その後、オリゴ糖類、二糖類、単糖類、ポリオールに分類される高FODMAP食品を一種類ずつ試して、自分の腸と相性のいい糖質・悪い糖質を見極める。

そしてこれを実践した私は、①の段階で
腸の不調が一切なくなり、食事のリズムが整い、生活の質も向上し、夜はぐっすり眠れるようになりました。
東京都・30代女性(効果には個人差があります)

 ②のステップに辿り着く前に低 FODMAPのみの生活で腸の状態が改善したことを実感できたのは大きかったです。どれかしらの高FODMAP食品を摂取しなければ腸の安泰が得られることが確定したわけだから。
なのでもうこの段階でめちゃくちゃ嬉しかった。やっぱり原因がわからないと対応のしようもないわけで、それが本当に苦痛だったので。これからは原因不明の痛みに怯えなくていい!あと、お●らが臭くないってアイドルはう●こしないのと同じぐらい人体の摂理に反した都市伝説じゃない?と思ってたけどマジで全然ガスが臭くなくなって感動した。さよなら悪玉菌、ようこそ善玉菌。

 まれに、人によっては高FODMAPより低FODMAPの方がNGということもあるらしいし、この食事療法でIBSの人すべてが必ずしも改善すると約束されているわけではありません。

でも、そうだとしても「FODMAPが原因のIBSではない」ってことがわかるだけでもやる意味あると私は思います。

※なお高FODMAP食品の一切を長期的に生活から排除することは別の側面で健康を害すると言われており推奨されていないため、私も今後は「高FODMAP食品を食べ過ぎないように気をつける」くらいのつもりです。

ちなみに私の自己判断による糖質○×ジャッジは下記の通り。

■ガラクオリゴ糖……○
限りなくシロ。普段から食べてもあまり問題なさそう。主に大豆などの豆類。


■フルクタン(オリゴ糖類)……△
グレーゾーン。食べすぎはNG。小麦類など。


乳糖(二糖類)……✕
やる前からわかってたんだけど、小腸との相性なのか乳糖不耐症なのかは不明。牛乳やヨーグルト、やわらかいチーズなど。ラクトアイスが大好きだから今後はほどほどにします。(この二ヶ月間、大好きなアイスを一口も食べてない!やればできる)


■果糖(単糖類)……○
大丈夫そう。今後も食べすぎには気をつけたい。これはリンゴやアスパラガス、はちみつ、高果糖のもの。


■ポリオール(糖アルコール)……△
食べすぎなきゃ大丈夫、または食べるものによるかも。今後も見極めが必要。キノコ類や桃、ガム、ポリオール添加物を含む食品など。

という感じでした。


 今回は一定の量、一種類の食物でしか試してないけど、乳糖類以外は露骨に悪影響がある感じではなかった。でもきっと、これらを日々食べ重ねることが私の腸には負担になっていたんだなとも実感しました。
少量ずつ、またはたくさん食べた時はどうなるかを引き続き注視していきたいです。

 


■やって良かったこと

1.自分に高FODMAPが合わないことがわかった
 悩まされ続けてきたこの病の原因がわかったんだよ〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!うれし!!!!!!!!!!!!

2.自分が普段どんなものを口にしているのか知ることができた
 今までは買い物する時に成分表示を見ることなんてまずなかったし、見てもそれが自分にどんな影響を及ぼすか考えたことはなかったと思う。わずかなりともそれが理解できるようになって勉強になりました。
 それから、実践するにあたって食べたものをすべてノートに記すようにしたので、自分の食のローテーションや品目数の少なさとかも可視化されて、もうちょっとああしようとかこうしたいとか考えられるようになりました。なるべく今後に生かしたいと思います。

3.IBSが改善された
「原因を知りたい」という目的とは別に、少しでも改善されてほしいという結果も求めていたので本当に良かったです。原因のわからない腹痛から少し解放されて、今後は対策も立てやすい!

 

 

■チャレンジを終えて〜低FODMAP生活のすすめ〜

 言うまでもなく、デメリットとして「食べたいものが食べられない」という切なさはあります。その点と日常的な不調を天秤にかけた時に、それでも不調の原因を知りたい、謎の腹痛・便秘・下痢・ガス溜まりなどを治したいと思う人は試すことをお勧めします。とりあえずこのチャレンジにおいてはたった数ヶ月我慢するだけだから。決められた食材だけで日々何をどう料理して食べるかというミッションもそこそこ楽しいよ!

 もちろん外食や、外で作られたものを買って食べることもほぼ出来ません。一人だと外食しなきゃいいだけなんだけど、人との外食は寿司一択。週5で寿司でも問題ないタイプの人間だから私はよかったけど、とはいえワサビは高FODMAPのためNG。ワサビの入ってない寿司なんて紅生姜ののってない牛丼と同じだよね。人生で初めて「サビ抜き」を注文しました。

 ちょうど感染症が流行中で、対面の人付き合いが希薄にならざるを得なかったのはこの件に関しては幸いでした。そうじゃなかったら外食を断ったり、周りにもっと気を使わせてしまったりしたかもと思ったりします。寿司しか食べられない、と申し出ても喜んで付き合ってくれた友人の皆様には感謝申し上げます。

 この食事法を試すまで、心から腸の調子がいいと思えるのは一ヶ月のうち五日間くらいあれば御の字、みたいな生活でした(誇張なし)。
具合が悪くて数日間ろくに食べ物を口に出来ないことも日常茶飯事だったし、店で出される料理は全量食べられないのであらかじめ減らしてもらうのが普通になっていました。それでも食べきれないことも多くて心苦しかった。人と外食する時は常に不安で、会食恐怖症のようなストレスに神経をすり減らしたりもしました。
でも、低FODMAPのみの生活をした時は(腐りかけのパセリを食べた時以外)一度も調子が崩れませんでした。一ヶ月、毎日三食食べられたのは何年振りかわからないぐらい。だからほんとに嬉しかった。

 もしIBSやSIBOと診断を受けて、薬やその他の療法で改善せずに悩んでいる人がいたら、高FODMAP食品の摂取を少し抑えてみるだけでも効果があるらしいので試してみてほしいです(重ねて言いますが、すべての人に効果があるわけではありません)。

 というわけで、ざっくりとしたまとめは以上です。
 今回のチャレンジを応援してくれたり見守ってくれたみなさん、ありがとう!おかげさまで私のおなかはだいぶ元気になりました。
これからも腸との上手な付き合い方を模索しながら、諦めずに、安定して食事を楽しめる生活を目指したいと思います。

▽実践にあたって参考にした本
自分で治す過敏性腸症候群の本 (TJMOOK) -江田証https://www.amazon.co.jp/dp/B07WWDSXJX/ref=cm_sw_r_tw_dp_x_Lg8jFb3GF6J46

 他、様々なネット上にある医療機関の記事や実践ブログ、低FODMAPレシピなどたくさん参考にさせていただきました。ありがとうございます。