その後の低FODMAP食生活

2020年半ば、過敏性腸症候群持ちの私はFODMAP食事制限にチャレンジしました。

ochaka.hatenablog.com

このチャレンジは自分の腸に合わない食品成分を特定するために行なったもので、合わないと判明した成分を含む食品は、以降なるべく摂らないようにしています。
その生活を続けてきて具体的にどんな変化、変遷があったのかということを自分の記録としてここに残します。

2020年8月下旬に厳格な食事制限を終えてからも、唐突に飽きがきた12月半ばまでは日々の食事と排便(タイミング・状態)のレコーディングは続けていました。
それを見返してみると、チャレンジ終了日の夜に高FODMAP食品を複数摂取したせいか、翌日の夜あたりから早速お腹の調子を崩している。ほぼ一切やめていたものを摂るときは分量に注意しましょう。

そこから季節が秋へと移ろう気候の変化もあって、どうにもずっと体調が優れない。せっかく食事には引き続き気をつけているのに軟便や便秘、ガス、膨満感による食欲不振を繰り返し、9月は8月までの好調な生活が嘘だったかのように不調に悩まされていた。
さらに10月に入ってすぐ、激痛などはないものの久しぶりに食事ができないぐらいの苦しみに襲われしばらく腸がしんでいた模様。記録ノートには思い当たる原因がわからず、冷えだとか、在宅勤務日の増加による運動不足だとか食事のリズムが悪いとか、色々と推察が書かれている。全部だったかもしれない。

結局この不調の原因ははっきりとしないままなんと12月まで低空飛行の波を繰り返した。せっかくFODMAPの概念に出会って希望を見出せたのに、もしやひと夏の幻だったのか……。
とはいえ、栄養的な観点などから、全く高FODMAP食品を口にしないというのも体にはよろしくないとのことだったので、厳格な制限を終えてからは日々少しずつ摂取していたわけで、そこに原因があった可能性もあります。でも本当に調子を崩した時は食べるのやめたしなあ。

一つはっきりしているのは、11月半ばころからの体調不良は出社日の朝に飲んでいたコーヒーだったというもの。
そもそもコーヒーは低FODMAP(※ミルク入れたら高FODMAP)だし、一日一杯のコーヒーは健康にいいとか言うじゃないですか。それで、でもブラックだから胃には刺激が強いかもしれないし、本当に少しだけ、カップの1/4くらい、週に3回の出社日だけ飲み始めたんですよね。そしたらその日は昼過ぎから体調が優れなくなることが増えて、翌日にも引きずったりしているうちにまた出社して飲んで、となると体調不良が続いて思い当たる原因もうやむやになり(これまでの人生でコーヒーで具合悪くなったことがなかったから気づかなかった。もしかしたら今までも知らないうちにコーヒーのせいで体調崩してたのかもしれないし、身体が変化したのかも)。それでしばらく飲み続けた後に、もしかして……と飲むのをやめてみたら覿面に元気になったのでした。それが12月下旬。もうこわくてコーヒー飲めない。

年末に元気を取り戻した私は、長い冬休みを得ていたので実家へ帰省。
母親にも軽くFODMAPのことを言ってあったものの、作ってもらうのにあれもこれも食べられないと言うのは申し訳なく、私もあまり気にせず食事を楽しみたくて、帰省中はそれまでに比べてかなり多量の高FODMAP食品を摂取しました。
にもかかわらず、休みの後半で食べ過ぎによる不調に陥るまでは(3kg太った)自分でも驚くほど元気でした。謎よ。

そういうわけで、コーヒー以前の腸の不機嫌はストレスとかホルモンバランスとか自律神経とか目に見えない何かだったかもしれなくて、高FODMAPの摂取が大きな原因ではなかったのかなーと。食事と排便以外のこと(天候や睡眠、心理状態等)もちゃんと記録していればもう少しなにか明らかになったのかも。

冬休みを終えて自宅に戻ってきてからも少量ずつ高FODMAP食品を摂っていますが、2021年に入ってからは一度も体調を崩していません。ちょっとおかしいなと思ってもすぐ治る。こわいぐらい順調。
最近はコンスタントに小麦を摂ってしまっているので便の状態がベストではない(自分のベスト💩がわかるようになったのもFODMAP食事制限をやってよかったことの一つだね!)けど、日々快便だし膨満感も久しく感じてないしとても元気。おかげでどんどん肥えてるけど、食べられない悲しみよりは全然いい。

ちなみに、量は控えつつ食べるようにしている・好きだからたまに食べている高FODMAP食品はだいたい下記のもの。

ラクオリゴ糖
・豆乳(牛乳NGなので代替品がこれしかない)
 チャレンジの結果、この糖類は私には比較的悪影響が少なかったからあまり気にしていない。
フルクタン
・パン(好き。米メインにしてるけどたまには食べたい)
・小麦を使った加工食品
・小麦を使ったお菓子(好き)
・玉ねぎ
乳糖類
・アイスクリーム(やめられないけど前よりは減らした)
 低乳糖のカマンベールチーズはOKなので基本の乳成分はそれで摂取してるつもりになってる。
果糖類
 ラクオリゴ糖と一緒で、チャレンジした時にそれほど悪影響がなかったからあんまり気をつけてない。ただし果糖ブドウ糖液糖を使用しているものはなるべく摂取しないように成分表示をチェックする。
ポリオール
・きのこ類(好きだし、食べた方がよさそうだから)
マルチトールソルビトールを使用したのど飴(精神安定剤なので致し方なし)

です。
生きてるうちに嗜好やブームは変わるから、上に書いたのとは違う食品や成分をよく食べるようになって体調が変わることがあれば書き留めようと思います。
内容の薄い記事になったけどレコーディングをやめてしまったからせめて書いておきたかった。
またそのうち不調に悩まされたり、再度FODMAPチャレンジをすることがあったらここを見直すことにします。

ある俳優への傾倒

あれよあれよという間に赤楚衛二ウォッチャーになりつつある日々を、ぼんやりながら記録しておきたいと思い立って書くことにしました。

赤楚衛二くんとは。
多数の俳優やタレントを有するトライストーン・エンタテインメントに所属する俳優さん。つい先日、27歳になりました。

▽プロフィール(公式サイトより引用)

生年月日 1994.03.01
出身

愛知県

趣味・特技

剣道、ピアノ

サイズ

身長178cm/靴27.5cm

ピアノ弾いてるところ、早く見た〜い。

私の俳優・赤楚衛二の印象といえば仮面ライダービルドの万丈龍我で長らく止まっていた。あとは仰天ニュース*1に数回出演していたので、普通に生活できているのが不思議なレベルのアレルギー体質(「赤楚衛二 アレルギー」で画像検索)であることだけを知っていました。
ビルドも熱心に追いかけていたわけじゃなかったからイベントも行っていないし、周囲に赤楚くんを追いかけているオタクもいなかったので、彼のパーソナリティーも活動も深く知ることのないまま時は過ぎていきました。

来る、2020年10月。
フォロワーからのもらい事故によりテレビ東京の深夜ドラマ「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」(以下「チェリまほ」)に転げ落ち、それこそあれよあれよという間に、というか、あらかじめ用意されていたかのような凹にストンと収まった冬。ドラマに関する顛末はまだ言語化できてない複雑な心理状態のため割愛しますが、さまざまな意味で私の心に大きな爪痕を残してくれた作品との出会いでした。

この作品の主人公・安達を演じていたのが、赤楚くん。
率直に言って、彼は私のタイプの顔面ではない。安達はモサいキャラクターでパッとしないし、でもそういう設定だから、ふーんくらいの気持ちで見ていたと思う。序盤でハマったのはむしろ、安達に恋をしている同僚・黒沢役の町田啓太さんのキャラクターや造形の美しさのほうだった。
話が進むにつれ、その黒沢に対する「好き」も着々と積み重なっていたのに、物語終盤、それをトップスピードで追い越して行ったのが安達に対する「かわいい」という感情である。

「かわいい」は、つよい。

知ってた。
ただこの時の私はかわいいと思ったが最後であることを忘れていた。いや、与えられる供給の奔流の中でうやむやになっていたのかもしれない。もともと赤楚くんに積極的な好意を持っていなかったし、最終回によって精神が粉砕骨折してしまったために思考がままならなくなっていたことも理由として挙げられる。

そもそも、俳優を追いかけるのにあまり向いていないという自己分析もある。
俳優は「個」であって、基本的に私が好きになるのは「集合体」。その「作品」であったり、「カンパニー」であったり、とにかくそこに発生しているコミュニティがあって初めて、その中の一人(ないし二人)にのめり込める。過去にも何人か、特定の集合体での役割を終えた俳優さんのその後を追いかけたけど、どうにも長続きしなかった。今でもコンスタントに「好き」が続いているのは平間壮一くんぐらいだけど、それも興味の範疇が限られている。

しかも、歌わず、踊らず、さらにテレビ俳優となると過去に例がない*2。基本が茶の間で現場がない。私は生の演劇が好きだし、更に言うとストレートプレイにはほぼ興味がなくミュージカルが好きだ。同次元に存在していて歌唱しない人間を追いかけたことがない。加えて芝居の巧さや好みを漠然と感じ取ることはあっても、そこに一家言持ってることもない。

そういう自分がいくら「かわいい」と思えたからと言って、テレビドラマが主舞台の俳優個人(しかも顔がタイプでない)にハマるなんて……。

あるんだなあ。

「チェリまほ」の中で赤楚くんのお芝居を好きだと思った瞬間はいくつかあるけれど、いの一番に思い出すのはやはり11話の終盤、不安や罪悪感でいっぱいになった安達がどうしようもなくなって気持ちを吐露するシーンには衝撃を受けた。

そしてそのあと「監察医 朝顔」にゲスト出演をした際の、ただでさえ短い出番のラストの場面。大学生役の彼が、亡くなった隣人に対して発した冷たい言葉とは裏腹な本音を覗かせるかのような、視聴者の想像を掻き立てる表情。ドアの内側で黙って佇んでいるだけなのに、ただそれだけの数秒のお芝居が忘れられなくなって、眠るまでずっと頭の中に浮かんでいた。こういうことは、あまりない。

そうなってくると次はどんな芝居で魅せてくれるんだろうと楽しみにしている自分がいた。これはいよいよ「好き」を否定できなくなってきたなぁと思っていたところに3/10発売のanan*3を立ち読みしに本屋に行って、あ、買って帰ります。になった瞬間に自分を誤魔化すことをやめた。私は赤楚くんが好き(自己理解)。

まだ「チェリまほ」にハマりたてだった2020年11月、+actの赤楚くんを見て即購入したあの時から、こうなることは頭のどこかでわかっていたのかもしれない。

 
 
 
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+act 2020.12月号の赤楚くん。かわい〜。好きなパーツは目と鼻と唇のかたち。

この「好き」がどれくらい続くかはわからないし、もう自分にそういう期待は持ってない。明日には違うものを追いかけているかもしれない。それもいい。ガチだとかにわかだとか、長く好きでいることは私にとって重要ではなく、好きでいるうちにどう全力で楽しむかがすべて。ハイスピードでなくてもいい。情緒が狂ってなくてもいい。今この瞬間に「嵌っている」という事実だけが確かで、それが何よりありがたく尊いことだ。赤楚くんはかわいいし、私にとって魅力的なお芝居をする人だ。
これを認めることができたので己の現在地を明確にするためにもこれを書くに至ったというわけです。さよなら、抵抗の日々。でも別にそれも無駄じゃなかったよ。

 

*1:数少ない私が見続けている地上波バラエティ番組のひとつ。担当がMC。

*2:佐藤健渡部秀は歌って踊っていたので。あの玉木宏ですら歌っていた(歌が好きかどうかは別として)。

*3:赤楚くんにオーバーオールを着せた天才と最後にルービックキューブを持たせた確信犯は同一人物か?

令和二年に読む「絶愛-1989-」

※移行 元記事2020/9/20up

 

 それは2020年、夏の盛りの真っ只中のことだった。出し抜けに「読んでほしい」と友人に渡された3冊の文庫本。
 それが、知る人ぞ知る不朽の名作(ということも最近知った)、「絶愛-1989-」だった。

画像2

絶愛―1989― 1 (マーガレットコミックスDIGITAL) 尾崎南 https://www.amazon.co.jp/dp/B00N1RVQPC/ref=cm_sw_r_tw_dp_x_x8SyFbZDQK5B3
※試し読みできます。

 

 もともと全く知らない作品というわけではなかったんですけど、周囲の絶愛有識者により刷り込まれていた印象は「ネタとして面白がるもの」だったので、話の中身はほとんど存じ上げず。この作品が生み出された背景とかも全く知りませんでした。
だから逆に、こんなにダメージを受けるとは微塵も思わずに読んじゃったんだよね…。

 まだ絶愛に出会っていない人にはぜひ一緒にこの疲労感を味わってほしいと思う。深くのめり込んだ故の心地よい疲れ…とかではない。マジの疲労ガチの体力的ダメージ。

 でも疲れたからといって面白くなかったとか、苦手だとかそういうんじゃないんですよ。なんかうまく言えないけど、すごい"残る"んですよ。
どれぐらい残るかっていうと、読み終わって三日経ったのにまだ口の中で味がしてるぐらい。

 メインの登場人物は、16歳にして超人気歌手の南條晃司と、複雑な家庭事情を抱えるサッカー少年の泉拓人
心にも身体にも大きな傷を抱える拓人と、天に百物くらい与えられていながらも性格は冷めきっている晃司がひょんなことから出会う(再会する)ところから物語は動きだします。


 同性でありながら、拓人に強く惹かれてしまう晃司。ブレーキの効かないその想いは留まることを知らず、それによって様々なトラブルや苦悩・葛藤が生まれ、周囲をも巻き込みながら、愛とはなにか、幸せとは何かを二人それぞれが追い求めていく決着の見えないストーリー……。

 このざっくりとしたあらすじだけだと、特に風変りな要素は感じないと思う。でもこの「ざっくり」をもう少し噛み砕いて絶愛のフェーズで説明しようとすると私には難しすぎて、とにかくあのジェットコースターを体感してもらわないことにはわからないものだとしか言いようがない。

画像1
帯を飾る言葉たちから伺い知れる、絶愛の世界。

 

 描かれる線は細く、少女雑誌らしい繊細さがあるかと思いきや、作者渾身の力強さが時にそれを驚くほど鋭く冷たく見せ読者を圧倒する。そしてモノローグの三点リーダがアツい。

 私は、そんな言葉のチョイスや紙面上の端々に尾崎南イズムを感じつつ、いつしかかつて00年代前半に流行したテニ●リの同人誌のことを思い出していた。
その頃は、テ二●リ以外の二次創作もこんな雰囲気の本が多かったのではないか。みんな好きなキャラを†堕天使†にしていたあの頃……。

 十代半ばという若さにしてはダークでヘヴィな家庭事情を抱えていたり、その若さで酒・煙草・セックスを存分に嗜んでいたり、なぜか一人で高級マンションに住んでいたりする。女の運転するフェラーリで学校の送迎。頻繁に起こる流血沙汰。これこれ。これですよ。そして斜に構えまくってて荒んでたりする"俺"が、生まれて初めて狂おしいほど真剣な恋に落ちる唯一無二の相手に出会う。
それこそが、運命――。

 我々の世代の根底に刻み込まれているこれらのセオリー。もしやすべてのルーツは……絶愛……?!

 BLのルーツとか歴史とかほぼ知らない人間なんですけど、連載当時は爆発的人気だったそうなので、後世に与えた影響は大きいんでしょう。きっと。私が2020年に読むことになるぐらいだから。
 だとすれば私は絶愛の流派(?)から生まれた作品を数多く読んで自我を育てられてきたので、とうの昔に絶愛と出会っていたと言っても過言ではない。
晃司と拓人じゃん?(ではない)

 ちなみに私は去年「G・DEFEND(ジーディフェンド)」(以下GD)にハマった人間でもあるので、絶愛と同じくまだボーイズラブという言葉すら生まれていなかった頃の(そしていまも愛され続けている)古典的表現にはそこそこ耐性があると自負していた。その古典を楽しめる価値観を自分は持っているとも思っていた。

G・DEFEND(1)-森本秀
https://www.amazon.co.jp/dp/B01452VIP4/ref=cm_sw_r_tw_apa_BOSyFbH48PTXS
なんと1993年の連載開始から今日まで続いていて、2020年10月に最新刊65巻の発売も決まっている。こんなにも長く連載しているBL作品を私は知らない。ハードな展開もあるけど基本はハートフルでツッコミどころが満載。登場人物のほとんどが男同士でくっつく世界観は突き抜けていて面白いが、好きなキャラが望んだCPにならない場合は唇を噛みちぎる。
Kindleアンリミテッドで1〜49巻読み放題。


しかし絶愛にそれは通用しなかった。
独特の表現技法がちょっと面白いところもあるし、お約束っぽいセオリーもある。でもなんというか、古典が古典として確立する前の原型なのか、もしくはこれが尾崎南独自の世界観なんだろうと私は感じた。
(そもそも厳密にはBLではないんだろうしルーツのひとつであって型ではない)

 絶愛はひたすらに重い。ひたすらにハードだ。さらっと描かれているひとつひとつがだいぶエグい。
 でも何が一番ヘヴィなのかと言うと、内容もさることながら作者のパッションの質量が尋常じゃない。迫真という言葉を絵にしたら絶愛になるかもしれない。

 こんなに作者の怨念のような力強さを重厚に感じる作品はなかなかないだろうと思う。特にBLでは。命を削って描いていることが切々と伝わってくる。だから読んでいるこちらも疲れる。さらっと読もうとしたのになんか読めなくて、流すように読んでいるつもりがいつの間にか作品の持つパワーに圧倒されている。

 そして何も知らずにたどり着いたラストがまた衝撃的で、正直、ここで終わり!?とその時は拍子抜けした。けれど、たぶんあの幕切れだからこそ当時の読者の心にも強烈にこの物語が刺さって残ったのではないだろうか。
二人はどうなるのか、どうなったのか、読者に託された想像上の未来。
尾崎南の燃え尽きゆく魂の叫びを聞きながら、私は彼らの行く末を想いながらそっと本を閉じた——。

ENDLESS END
・ZETSU AI・
―1989―

 ハァ……。

 あと、絶愛の文庫版には(単行本は知らない)3冊すべての巻末に、尾崎先生の親友だという相川七瀬氏からのコメントが寄せられている。それらが非常に味わい深くい、かつシビれる内容なので絶対に読み飛ばさず併せて楽しんでほしい。
相川七瀬は絶愛の世界の一部であり、絶愛は相川七瀬の一部だったのだ……。
かつて親しんだヒットソングの裏に絶愛が隠されていたこともまた、自分がそうとは気づかないうちにこの作品と接点を持っていたという事実を明らかにした。

 令和二年の初秋、本当の意味で「絶愛」に出会ってしまった。
 一応言っておくと、別に読んでめちゃくちゃハマったとか、好き!という感情ではない。正直。ただとにかく圧倒されて刺さった作品ではあったのでこの感情を書いておかなければ……となったため書きました。
 でも私の言葉で語っても絶愛の"凄み"が陳腐になってしまうから、気になる人はとりあえず読んで、あの超重量級のパッションを全身に浴びてみてください。

低FODMAPチャレンジ

※移行 元記事2020/8/26up

 

 低FODMAPチャレンジ、とりあえず終わったー!!ということで、この食事法についてだったりその雑感などをまとめました。
細かい点を書き連ねると膨大な長さになりそうなので大筋だけ。

《チャレンジ期間:2020年6月中旬〜8月下旬 約2ヶ月》
※合間に夏バテ等の不調を起こしたため延びました。

 


■そもそもFODMAP(フォドマップ)とは

 FODMAPとは【小腸で消化吸収されにくく、大腸で発酵する性質を持つ糖質類】を指します。

Fermentable [発酵性の糖質]
 …Oligosaccharides [オリゴ糖]
 Disaccharides [二糖類]
 Monosaccharide [単糖類]
  And
 Polyols [ポリオール]

 これらを多く含んでいる食品が「高FODMAP」と定義されていて、それらが過敏性腸症候群(IBS)や小腸内細菌異常増殖症(SIBO)、つまり”はっきりとした原因がわからない恒常的なお腹の不調”の原因なのではないか?という研究により近年導き出されたのが、今回私がチャレンジした低FODMAP食事法です。


 納豆をはじめとする大豆製品・りんご・ヨーグルト・うどん等、胃腸や消化にイイ!と世間一般に謳われている食品が、実はIBSやSIBOの人には毒かもしれませんよ〜ということなんですね。腸活とか熱心に試してきたけど無意味どころか逆効果だったかもしれないっていう。

▽こちらのクリニックのページに概要や食べていいもの・悪いものの一覧があるのでご参考までに
https://www.tanaka-cl.or.jp/guidance/special-outpatient/nutritional-therapy/fodmap/

 


■低FODMAP食事法を実践した理由


 IBSに悩まされていたからです。(SIBOについては未診療)

過敏性腸症候群(IBS)の症状例ならびに"従来考えられていた原因や治療法"の記載があるページ
http://www.nihonclinic.com/japanese/column/columns/0411irritable.html

 IBSだと診断されてから3年以上、これまで様々な食事・生活改善を自分なりに行ってきました。
 毎日湯船に浸かる、夜更かしをしない、起床後一杯の水(または白湯)を飲む、冷たいものは控える、アルコールは控える、365日腹巻を装着、よく噛んで食べる、少量の食事で栄養を取れるように工夫する、刺激物は食べない、などなど。これらは今でもほぼ実践していて、意識せずともやるようになりました。

 これによって、単純に、不摂生をしているよりは俄然まともな生活になったので、一応、このような試みや自分に合う整腸剤を常飲することで死にそうな腹痛にのたうちまわる回数は減りました。でも、恒常的に腸の調子は悪いまま。いつ何時具合が悪くなるかわからない日々は続いていました。

 そもそもIBS心因性(自律神経の問題)なので明確な治療法はなく、上手に付き合っていくしかない」というのが通説であり、かかりつけの担当医にもそう言われてきました。
 自律神経を自分でコントロールするのは限界があります。自律神経を整えるためにできるだけ手を尽くしても、どんなに自分がノーストレスだと思っていても、急に不調が起こるわけです。そのことがむしろ最大のストレス!という悪循環。

 そうやって仕方なく腸の機嫌をうかがい続ける生活に諦めと慣れを覚えていた2020年5月のある日、私はFODMAPの概念と出会ったわけです。
なんで今まで誰も(主に担当医)教えてくれなかったの!?と思ったけど、それぐらい日本ではまだあまり知られていないものらしい。私がIBSと診断された2016年頃に調べてもそんなワードや治療法が出てきた覚えはないし、日本語の関連記事が増えたのも本当にここ数年という感じですね。

 

■低FODMAP食事法とその結果

 じゃあそれは一体どんな食事法(食事療法)なのかというと、

①対象となる高FODMAP食品を日常から一切排除し、約3週間ほど低FODMAP食品のみで生活。

②その後、オリゴ糖類、二糖類、単糖類、ポリオールに分類される高FODMAP食品を一種類ずつ試して、自分の腸と相性のいい糖質・悪い糖質を見極める。

そしてこれを実践した私は、①の段階で
腸の不調が一切なくなり、食事のリズムが整い、生活の質も向上し、夜はぐっすり眠れるようになりました。
東京都・30代女性(効果には個人差があります)

 ②のステップに辿り着く前に低 FODMAPのみの生活で腸の状態が改善したことを実感できたのは大きかったです。どれかしらの高FODMAP食品を摂取しなければ腸の安泰が得られることが確定したわけだから。
なのでもうこの段階でめちゃくちゃ嬉しかった。やっぱり原因がわからないと対応のしようもないわけで、それが本当に苦痛だったので。これからは原因不明の痛みに怯えなくていい!あと、お●らが臭くないってアイドルはう●こしないのと同じぐらい人体の摂理に反した都市伝説じゃない?と思ってたけどマジで全然ガスが臭くなくなって感動した。さよなら悪玉菌、ようこそ善玉菌。

 まれに、人によっては高FODMAPより低FODMAPの方がNGということもあるらしいし、この食事療法でIBSの人すべてが必ずしも改善すると約束されているわけではありません。

でも、そうだとしても「FODMAPが原因のIBSではない」ってことがわかるだけでもやる意味あると私は思います。

※なお高FODMAP食品の一切を長期的に生活から排除することは別の側面で健康を害すると言われており推奨されていないため、私も今後は「高FODMAP食品を食べ過ぎないように気をつける」くらいのつもりです。

ちなみに私の自己判断による糖質○×ジャッジは下記の通り。

■ガラクオリゴ糖……○
限りなくシロ。普段から食べてもあまり問題なさそう。主に大豆などの豆類。


■フルクタン(オリゴ糖類)……△
グレーゾーン。食べすぎはNG。小麦類など。


乳糖(二糖類)……✕
やる前からわかってたんだけど、小腸との相性なのか乳糖不耐症なのかは不明。牛乳やヨーグルト、やわらかいチーズなど。ラクトアイスが大好きだから今後はほどほどにします。(この二ヶ月間、大好きなアイスを一口も食べてない!やればできる)


■果糖(単糖類)……○
大丈夫そう。今後も食べすぎには気をつけたい。これはリンゴやアスパラガス、はちみつ、高果糖のもの。


■ポリオール(糖アルコール)……△
食べすぎなきゃ大丈夫、または食べるものによるかも。今後も見極めが必要。キノコ類や桃、ガム、ポリオール添加物を含む食品など。

という感じでした。


 今回は一定の量、一種類の食物でしか試してないけど、乳糖類以外は露骨に悪影響がある感じではなかった。でもきっと、これらを日々食べ重ねることが私の腸には負担になっていたんだなとも実感しました。
少量ずつ、またはたくさん食べた時はどうなるかを引き続き注視していきたいです。

 


■やって良かったこと

1.自分に高FODMAPが合わないことがわかった
 悩まされ続けてきたこの病の原因がわかったんだよ〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!うれし!!!!!!!!!!!!

2.自分が普段どんなものを口にしているのか知ることができた
 今までは買い物する時に成分表示を見ることなんてまずなかったし、見てもそれが自分にどんな影響を及ぼすか考えたことはなかったと思う。わずかなりともそれが理解できるようになって勉強になりました。
 それから、実践するにあたって食べたものをすべてノートに記すようにしたので、自分の食のローテーションや品目数の少なさとかも可視化されて、もうちょっとああしようとかこうしたいとか考えられるようになりました。なるべく今後に生かしたいと思います。

3.IBSが改善された
「原因を知りたい」という目的とは別に、少しでも改善されてほしいという結果も求めていたので本当に良かったです。原因のわからない腹痛から少し解放されて、今後は対策も立てやすい!

 

 

■チャレンジを終えて〜低FODMAP生活のすすめ〜

 言うまでもなく、デメリットとして「食べたいものが食べられない」という切なさはあります。その点と日常的な不調を天秤にかけた時に、それでも不調の原因を知りたい、謎の腹痛・便秘・下痢・ガス溜まりなどを治したいと思う人は試すことをお勧めします。とりあえずこのチャレンジにおいてはたった数ヶ月我慢するだけだから。決められた食材だけで日々何をどう料理して食べるかというミッションもそこそこ楽しいよ!

 もちろん外食や、外で作られたものを買って食べることもほぼ出来ません。一人だと外食しなきゃいいだけなんだけど、人との外食は寿司一択。週5で寿司でも問題ないタイプの人間だから私はよかったけど、とはいえワサビは高FODMAPのためNG。ワサビの入ってない寿司なんて紅生姜ののってない牛丼と同じだよね。人生で初めて「サビ抜き」を注文しました。

 ちょうど感染症が流行中で、対面の人付き合いが希薄にならざるを得なかったのはこの件に関しては幸いでした。そうじゃなかったら外食を断ったり、周りにもっと気を使わせてしまったりしたかもと思ったりします。寿司しか食べられない、と申し出ても喜んで付き合ってくれた友人の皆様には感謝申し上げます。

 この食事法を試すまで、心から腸の調子がいいと思えるのは一ヶ月のうち五日間くらいあれば御の字、みたいな生活でした(誇張なし)。
具合が悪くて数日間ろくに食べ物を口に出来ないことも日常茶飯事だったし、店で出される料理は全量食べられないのであらかじめ減らしてもらうのが普通になっていました。それでも食べきれないことも多くて心苦しかった。人と外食する時は常に不安で、会食恐怖症のようなストレスに神経をすり減らしたりもしました。
でも、低FODMAPのみの生活をした時は(腐りかけのパセリを食べた時以外)一度も調子が崩れませんでした。一ヶ月、毎日三食食べられたのは何年振りかわからないぐらい。だからほんとに嬉しかった。

 もしIBSやSIBOと診断を受けて、薬やその他の療法で改善せずに悩んでいる人がいたら、高FODMAP食品の摂取を少し抑えてみるだけでも効果があるらしいので試してみてほしいです(重ねて言いますが、すべての人に効果があるわけではありません)。

 というわけで、ざっくりとしたまとめは以上です。
 今回のチャレンジを応援してくれたり見守ってくれたみなさん、ありがとう!おかげさまで私のおなかはだいぶ元気になりました。
これからも腸との上手な付き合い方を模索しながら、諦めずに、安定して食事を楽しめる生活を目指したいと思います。

▽実践にあたって参考にした本
自分で治す過敏性腸症候群の本 (TJMOOK) -江田証https://www.amazon.co.jp/dp/B07WWDSXJX/ref=cm_sw_r_tw_dp_x_Lg8jFb3GF6J46

 他、様々なネット上にある医療機関の記事や実践ブログ、低FODMAPレシピなどたくさん参考にさせていただきました。ありがとうございます。